【おすすめラノベ】「神々が支配する世界で<上>」レビュー
神々が支配する世界で<上>
書籍情報
書籍名 | 神々が支配する世界で<上> |
著者名 | 佐島 勤(さとう つとむ) |
レーベル | 電撃文庫 |
出版年 | 2024年 |
ストーリー紹介
これは、西暦一九九九年六月までの時間を私達と共有した地球の物語。その地球に突如現れた地球外生命体が、そのオーバーテクノロジーによって世界を武力制圧した。その後、地球外生命体は自らを『神々』と名乗り、西暦二〇〇一年元日グリニッジ標準時正午、世界統治の始まりを宣言。その時を神暦(しんれき)元年と定めた。
『神々』は精神生命体に進化した知性体であり、邪悪な知性体である『邪神群』と闘争を繰り広げていた。神々は邪神群と戦うため、人類に神々の軍勢に加わる戦士の提供を求める。戦士の条件は『神鎧』(じんがい)に適合すること。神鎧は神々の力を宿した邪神と戦うための武具である。そして、人類は神鎧に適合する人間を選び出し育成する社会制度を定めた。
神鎧はF型「タイプ・フェアリー」とG型「タイプ・ギガース」が存在し、これまでF型適合者はすべて女性、そしてG型適合者はすべて男性だった。しかし、神暦十七年(西暦二〇一七年)男性で初めてのF型神鎧適合者として新島 荒士(あらしま こうじ)が選ばれた。神々からも邪神群からも貴重な存在(サンプル)となった彼の、世界に争う神鎧バトルが今始まる。
こんな人におすすめ
聖闘士星矢やスーパー戦隊シリーズ、宇宙刑事シリーズ、牙狼〈GARO〉などのバトルアクションが好きな方におすすめ
私のお気に入りポイント3選
読んだタイミングや環境によって思うことは人それぞれ、あくまで個人的な見解として、私が好きな人物や場面などをご案内します。
お気に入りポイント①
お気に入りポイントひとつ目は、富士アカデミーです。地球上に7か所存在する戦士を育成するための施設であるアカデミー。そのうちの一つである富士アカデミーは、F型神鎧適合者専門の訓練機関であり、新島荒士もこのアカデミーに入学しました。必然的に百十二名の入学生のうち彼を除く百十一名は女性です。荒士の気持ちはさておいて羨ましい限りです。私はもう男性ばかりの職場は耐えられません。G型適合者でなくてホント良かったです。ただし、神々の代行官(巨大人工頭脳・オラクルブレイン)からアカデミーの職員に向けた通達には戦々恐々としますが。
さて、アカデミーでは位階制度を採用しており、位階ごとに制服の色と教官が決まっています。新入生は『白』から始まり、条件を満たすことで上位の位階に進級できます。そして、『紫』の生徒が試験をクリアすることで、目標である正規の『従神戦士』(黒)になることができます。戦士の強さを表すのに色がよく使われるので以下にまとめておきます。
位階 | 制服の色 | 教官 | 備考 |
---|---|---|---|
第一位階 | 紫 | 菖蒲(あやめ) | 現在、富士アカデミーには7名が在籍 |
第二位階 | 青 | 桔梗(ききょう) | |
第三位階 | 赤 | 楓(かえで) | |
第四位階 | 緑 | 若葉(わかば) | |
第五位階 | 白 | 白百合(しらゆり) | 新入生 |
お気に入りポイント②
お気に入りポイントふたつ目は、荒士の幼馴染の平野 陽湖(たいらの ようこ)です。陽湖も荒士と一緒に富士アカデミーに入学するのですが、このふたりの距離感にやきもきします。幼馴染なので友達以上恋人未満のような関係値でしょうか。生徒はアカデミーの寮で生活しているのですが、ちょくちょく陽湖が荒士の部屋に遊びに来てくれます。部屋で繰り広げられる、ふたりの会話は見ていて楽しいです。
『-あっ、お邪魔してまーす』
神々が支配する世界で<上> | 佐島 勤
『陽湖……何故お前がここにいる』
寮の部屋には鍵が無いので、自由に出入りできてしまうのはプライバシーが少し欠けていて問題ですが。仕事から家に帰ったとき、真っ暗で誰もいない部屋に「ただいま」と声をかけることが日常な私には微笑ましいです。そして、もう一つの彼女の魅力は目力の強さです。荒士をからかったり、冗談を言ったりしながら、急に眼光鋭く真剣になる。目力が強い女性は魅力的ですね。私も好きです。
お気に入りポイント③
お気に入りポイントみっつ目は、古都 鷲丞(こみや しゅうすけ)です。猛禽の兜が印象的な神鎧を纏う鷲丞は『黒』相当の実力をもつ邪神群の使徒『グリュプス』です。邪神アッシュから荒士を邪神群に引き入れる命を受けた鷲丞は、たびたび荒士と陽湖の前に現われます。
打ち交わされる荒士の槍と鷲丞の剣、戦うたびに成長する荒士、入学して一カ月半の『白』である荒士の槍術が鷲丞を心身ともに苦しめ本気にさせていきます。
その技術は、陽湖の祖父である片賀 順充(ひらが よりみつ)から教わった実戦槍術。アカデミー入学二日前、巣立ちの挨拶をする荒士にかけた順充の言葉は印象的です。
『少なくとも私は実戦の-殺し合いの技術を、お前に教えるべきではなかったと思う』
神々が支配する世界で<上> | 佐島 勤
順充のその言葉の意図はわかりませんが、その技術をためらいなく振るう荒士の姿を見ると、確かに教えるべきではなかったと感じてしまいます。師の苦しみが伝わってきます。
さいごに
いかがでしょうか、佐島勤さんの新作ということで手にした本です。上下巻購入しました。今回は神鎧バトルが楽しかったです。そのなかで特に槍術というものに惹かれました。興味のある方はいろいろな槍術の動画が公開されているで視聴してみてはいかがでしょうか。文字から動きを想像するのに役立ちますよ。私はNieR:Automataの2Bの槍モーションとかがカッコよくて良かったです。それとモーションアクターなるお仕事も存在するんですね。当たり前に利用しているサービスが、いろいろな人によって作成されている。改めて思い出しました。自分も含めて働いている人に感謝です。では、ありがとうございました。