【おすすめラノベ】「灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ」レビュー

灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ
書籍情報
書籍名 | 灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ |
著者名 | 十文字 青(じゅうもんじ あお) |
レーベル | オーバーラップ文庫 |
出版年 | 2013年 |
Story
「グリムガル」という世界で、自分の名前ぐらいしか思い出せない十二人の男女が、義勇兵見習いとなります。義勇兵の仕事は、人間の敵対種族やモンスターを討伐すること、訳もわからないまま、ただこの世界を生き抜くため、モンスターと戦う日々が始まります。
日々の戦いやパーティメンバーとの繋がり、他の義勇兵との関わりから自ら考え行動し成長していく物語。
こんな人におすすめ
チームビルディングに取り組んでいる人や、職場の人間関係が悪化していると感じて、何かできることはないかと考えている人におすすめ
私のお気に入りポイント3選
読んだタイミングや環境によって思うことは人それぞれ、あくまで個人的な見解として、私が好きな人物や場面などをご案内します。
お気に入りポイント①
お気に入りポイントひとつ目は、緊張感のある戦闘です。1パーティ6名の駆け出しの義勇兵見習いが、生きるために必死で戦います。相手は短剣や手斧、短槍、棍棒を振るう数匹のゴブリンですが、簡単にはいきません相手も生きるため必死に戦います。何度も斬りあい受け流し、仲間の戦況も意識し、戦いが始まれば常に考えを巡らせ休む暇はありません。気力、体力をすり減らし、痛みを受ければ恐怖する、死と隣り合わせの戦闘は臨場感があふれます。
また、この世界の武器は剣と魔法で、新たな技や魔法を習うことができます。ただし、すぐに技や魔法を使いこなせるわけではなく、何度も使用することで熟練度が上がりやっと実戦で効果を発揮することができます。一気に強くなるわけではないですが、努力し経験を積むことで確実に強くなっていく姿は、先々を楽しみにしてくれます。
お気に入りポイント②
お気に入りポイントふたつ目は、ユメの魅力です。いつもはふわふわ系天然女子ですが、戦闘になれば普段の言動とは違い、口調も明瞭で、積極的に斬りこみ、敵を引き受けます。戦闘時の勇敢なところには、とても好感がもてます。でも、一番の魅力は彼女の表現が豊かなところです。
『ユメ、発見したんやけどなあ、こうやってぎゅってされてるとな、めっちゃ落ち着くねん。そやからなあ、もっとぎゅってしてな、ユメのこと励ましてほしいねやんかあ』
灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ | 十文字 青
自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手なユメが、一生懸命に言葉にする感情が溢れる表現には心が打たれます。
お気に入りポイント③
お気に入りポイントみっつ目は、パーティの成長です。各々の役割を理解し、努力する。そして、メンバーの能力が発揮できるように環境を整え、お互いの足りない部分を補いあう。駆け出しの義勇兵見習いパーティの成長は、興奮と喜びを与えてくれます。
自分たちなりのペースで、昨日より今日、今日よりも明日のほうがましになるように。願うだけじゃ、もちろんだめだ。行動しないといけない。おれは何をどうすればいいんだろ。
灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ | 十文字 青
悩みながらも目標に向かって進む姿は羨ましくも思います。
さいごに
いかがでしょうか、社会で働く際も一人で働くことは少ないのではないでしょうか。いろいろな価値観をもったメンバーとチームで働いている方のほうが多いと思います。本書で彼らのパーティが成長するに至った行動は、今現実で自分が働いているチームを成長させるためのヒントになると思います。すべてを取り入れることはできなくても、なぜそのような行動をとるのか、観察することで課題や問題点がみつかるかもしれません。